性器ヘルペス:その事実
はじめに−性器ヘルペスをもつ人々のためのガイド
この情報の目的は、性器ヘルペスとは何か、それは何を意味するのか、について理解を深めることです。そうすれば、もっと気楽に性器ヘルペスと付き合っていくことができるでしょう。
性器ヘルペスはゆがんだ通念や誤った情報に取り巻かれていて、患者さんが恐怖や不安を感じたり自虐的になったりすることがあまりにも多過ぎます。
ここには、この感染症の医学的側面と治療法に関する情報とともに、パートナーとの性的関係や妊娠に関する情報を掲載しています。
また、性器ヘルペスとの共存への積極的な取り組みを展開するための実践的なガイドラインも示してあります。性器ヘルペスに対する反応や態度には個人差があり、ここに示すガイドラインは一般的なものですので、あなた自身のニーズに合ったもっと詳しいアドバイスや情報を捜す必要があるかもしれません。
この感染症について
性器ヘルペスとは?
性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされる、ありふれたウイルス感染症です。このウイルスには2つのタイプ、すなわち1型と2型があります。性器だけでなく、肛門、お尻、太もも、口の中、唇、顔面にも感染することがあります。唇または顔面に感染した場合は顔面ヘルペスとなり、これには口唇ヘルペスと呼ばれるものも含まれます。これらの感染症は、体の表面にできた時には、基本的にまったく同じ外観をしています。
ウイルスとは?
ウイルスを理解し、ウイルスがどのように増えるかを理解することが、性器ヘルペスを理解する鍵です。細胞内寄生物として、ウイルスは自力で生存できず、自分が侵入した細胞に全面的に依存します。
ウイルスと細菌が人間において感染症を引き起こす主な微生物ですが、細菌はウイルスよりも大きく、比較的宿主の細胞に依存せずに生存できます。細菌のほうがウイルスよりも分離や排除が簡単です。
ウイルスの感染
このウイルスは、しばしば皮膚の小さな傷、または口や性器の粘膜から人間の体に侵入します。
いったん人間の細胞内に入ると、このウイルスは宿主細胞中の物質を利用して増殖(複製と言われます)します。この過程で細胞は破壊されます。このような宿主細胞の破壊が、ヘルペスの発症時に特徴的な徴候(水ぶくれなど)や症状(ひりひり感、痛みなど)を引き起こします。
このウイルスは、感染部位の細胞に入り込んで細胞を支配するだけでなく、一部のウイルスが感染部位の知覚神経線維を伝わってこの神経線維が始まる場所まで上行します。知覚神経線維とは、痛覚、触覚、冷覚などを知覚させるシグナルを伝える神経線維です。知覚神経線維は、神経節と呼ばれる神経細胞の小さなかたまりから始まっています。口唇ヘルペスの場合には、ウイルスは三叉神経節と呼ばれる頭蓋基底部にある神経節に住みつきます。性器ヘルペスの場合には、ウイルスは下半身の脊髄末端付近にある仙骨神経節に潜伏します。ウイルスが神経節に到達すると、生涯にわたりそこにとどまります。HSVは周期的に神経節で再活性化され、ウイルス粒子が神経線維を伝わって皮膚や粘膜まで下行し、症状の再発を引き起こします。
この単純ヘルペスウイルスだけが、多くの人に潜伏感染するウイルスではありません。水ぼうそうにかかったことのある人は誰でも、水痘・帯状疱疹ウイルスの宿主です。このウイルスは大部分は休眠状態にありますが、再活性化することがあります。しかしそれは頻繁ではありません。再発すると、ウイルス粒子が神経節から神経線維を下行し、皮膚において帯状疱疹を引き起こします。
ウイルスがいったん私達の体内に入り込むとウイルスに対する抗体が生産され、この抗体はウイルスと戦います。抗体は血液中に存在し、体の自然な防御反応(免疫反応)において重要な役割を果たしています。抗体は最初に感染した時(これを初感染と呼びます。)から数週間にわたり生産され続けます。
性器ヘルペスでは、抗体は、初感染時よりも再発時の症状を軽くする働きをします。性器ヘルペスの発症を明確に経験しなかった人の血液中に抗体が見出されることはよくあることで、注目すべき興味深い事実です。これは、最初の発症があまりにも軽かったため気付かなかったか、別の病気と診断されたか、全く症状が出なかったため認識できなかったかのどれかに当てはまります。
性器ヘルペスは、発症中のヘルペスをもつパートナーに由来するウイルスに、性器が接触することによって感染します(性器と口唇の接触の結果として起こることもあります)。
感染部位
女性の性器で最もウイルスに冒されることの多い部位は、外陰と膣の入り口です。患部は子宮頚部に及ぶこともあります。
男性においては、患部は亀頭(ペニスの先端)、包皮、陰茎体部に最もよく見られます。
多くはありませんが、男女ともに肛門、お尻、太ももに見られることもあります。
性器ヘルペスの初感染
過去にこのウイルスに感染した経験がなく、抗体が生産されたことのない場合に、症状は最も重症となります。これを初感染といいます。
性器ヘルペスの初感染の症状は20日間以上続くことがあり、発熱、痛み、リンパ節の張れといった全身的な症状とともに、局所的な性器の症状を経験する人も珍しくありません。また、初感染が非常に軽く、わずかな症状しか示さない人もいます。多くの人では、感染の最初の症状はウイルスにさらされた後2〜12日間であらわれます。ただし口唇ヘルペスのような顔面ヘルペスにかかりこのウイルスに対する免疫を持っている人では、発症が遅かったり症状が軽かったりすることがあります。症状は、ひりひり感、むずがゆさ、灼熱感、痛みから始まり、その後痛みをともなう赤いブツブツが現れ、これはその後1〜2日以内に急速に、透明な水ぶくれから白みがかった黄色の液体で満たされた水ぶくれになります。この水ぶくれは破れて、痛みをともなう潰瘍となり、潰瘍は乾燥してかさぶたとなり、10日間ぐらいで治癒します。時に、潰瘍の初めの段階で次々と新しい水ぶくれができて、症状が長引くことがあります。また一方で、水ぶくれがはっきりとしないで、いきなり小さなかさぶたになることもあります。
女性は排尿時に痛みをともなうことが特に多く、このような場合には尿を薄め、それによってしみるような痛みを軽減したり、大量の飲み物を飲んで尿閉の問題を避けることが重要です。膣からの分泌物に気付く女性もいます。
再発
症状がはっきりとした再発を経験しない人もいますが、再発を経験する場合は、ふつう初感染による症状よりも短期間で軽く済みます。時が経つにつれて、再発の症状は軽くなり再発の頻度も低くなるようですが、明確な証拠はありません。通常再発に先立って、ひりひり感、むずがゆさ、灼熱感、痛みのような警告症状(前駆症状とも言われます)が起こります。
初感染したウイルスの型によって、再発には大きな個人差があります。初感染がHSV-2による人のうち約80%は少なくとも1回の再発を起こしますが、HSV-1の人で再発を経験するのは50%以下です。最も多いのは、不定期な再発(年4回ぐらい)ですが、中にはもっと頻繁に再発する人もいます。
性器ヘルペスは見逃されることがあります
性器ヘルペスの症状の重さには大きな個人差があります。初感染は気付かないうちに過ぎ去ってしまうほど軽いことがあり、また最初の再発が初感染から何年も経ってから起こることがあります。
性器ヘルペスの患者さんのうち60%までがこの病気の徴候を全く示さず、自分が感染していることに気付きません。しかしこのような人でも、ウイルスを他の人にうつす可能性があります。このような場合、性器ヘルペスが発症すると、他の誰かから感染したのではないかと思ったり、感染症が突然発症してしまったことを理解できずにその人は混乱し当惑してしまいます。
性器ヘルペスの引き金となるのは何ですか?
最初の発症はふつう、発症中の性器ヘルペスをもつ人と性的接触後、2〜12日間で起こります。再発は、ウイルスが神経節で複製され、ウイルス粒子が神経を伝わって皮膚または粘膜(たとえば、口、膣などの湿った内側の表面)の初感染部位まで下行する時に起こります。ウイルスがさまざまな時期に再活性化される明確な理由は不明ですが、原因となる要因は肉体的要因と精神的要因とに分類できます。
肉体的要因は人によって異なります。疲労、他の性器感染症(局所の皮膚領域を冒す)、月経、アルコール多飲、強い日光への曝露、免疫低下状態(体の免疫系が正常に機能しない状態)、長時間のストレス、そして珍しい場合では紫外線など、これらは全て発症の引き金となる要因です。たとえばセックスにより引き起こされる皮膚の摩擦または損傷も再発を引き起こすことがあります。まとめると、あなたの免疫系を低下させる何か、あるいは局所的に損傷を起こす何かが再発の引き金となるのです。
近年の研究は、長時間のストレスが度重なる再発を引き起こすことがあると示しています。再発した結果としてストレスや不安を経験することも、よくあることです。
性器ヘルペスの感染
ヘルペスの症状が出ている時でも出ていない時でも、ヘルペスウイルスをもつ人から他の人にうつる可能性があります。
口唇または性器のヘルペスの症状が出たことのある人は、発症から最後の潰瘍の治癒まで、自分が人にうつす可能性があると考えなくてはなりません。
顔面ヘルペスの病変部(たとえば口唇ヘルペス)も、オーラルセックスにより感染源になります。したがって、もしもパートナーの一方が口唇ヘルペスにかかっていたら、オーラルセックスは避けなければなりません。
無症候のウイルス排泄期間中には、明らかな病変部が存在しない人でも感染性のあるウイルスを持っています。無症候のウイルス排泄がいつ起こるかは予測できませんが、20日間に1度の確率で起こることが知られています。
時に、長く付き合っていたのに、一方のパートナーにヘルペスの症状がでることがあります。これは、一方のパートナーあるいは両方がHSVのキャリアであるのにそれを知らなかったことによります。ヘルペスが突然発症したとしても、必ずしも外の誰かから最近うつったことを意味するものではありません。
ヘルペスの徴候が見られる時にはセックスを避けることにより、また症状が出ていない時期にはコンドームを使用することにより、ヘルペス感染の機会は軽減されるでしょう。
診断
個々の性器ヘルペスの症状には非常に個人差があるため、また性感染症の治療法はそれぞれの病気により独特で特異的なため、正確な診断は不可欠です。
性器ヘルペスの正確な診断は、ヘルペス感染症の発症時、特に好ましいのは症状が見られる初感染時に、最も簡単に正しく行うことができます。診断では、医師による病歴の聴取、診察の実施、ウイルスの存在を検出するためのスワブ採取などを行います。
この時、感染の確認には、膣分泌液や水ぶくれの内容液を用いた確定診断により患者と医師は最適な治療に必要な情報を得られます。
臨床検査による確認
性器ヘルペスの診断を確定するためには、単純ヘルペスウイルスの存在を証明することが必要です。血液中のHSV抗体の検出だけでは十分ではありません。というのは、これだけではHSV感染の部位を決定することができないからです。
医師がスワブテストを行う通常の手順としては、水ぶくれや潰瘍面からのサンプルや膣分泌液のサンプルを採取して臨床検査に出します。
臨床検査での分析はふつう、ウイルス培養(培地と呼ばれる物質の中でウイルスを増やす)によって、またはウイルスの構成成分が特異的に同定されている抗原の検出によって分析を行います。
性器ヘルペスをもつ人がその他の性感染症を同時にもつこともあるので、性器に関する全ての検査を行わなくてはなりません。女性では、これには頚管スメアテストが含まれます。性器ヘルペスは子宮頚癌の発症に関与しないことに注目すべきです。性器に症状が認められない時でも血液検査によりHSV感染が明らかになる場合がありますから、性器ヘルペスの確定はやはり不可欠です。血液検査でHSV-2に対する抗体が検出されれば、性器ヘルペスの可能性は高まります。性器に症状または不快感が現れた時には、今一度病院に行ってスワブテストを受けましょう。
−日本では単純ヘルペス1型、2型を特定できる検査法は今のところ使用することが出来ません。−
性器ヘルペスをもつことの意味
全身の健康
初発の性器ヘルペスは重く、インフルエンザ様の全身症状がみられることがあります。これは、びらんの痛みや不快感、また時には二次的な細菌感染症と組み合わさって、疲労感を感じさせることがあります。幸いなことに、水ぶくれが治癒すれば、このような症状は間もなく治ります。
性的な関係
性器ヘルペスが再発している人は、性的関係のいくつかの側面を考え直すでしょう。たとえば、症状がはっきりしている間は性器を介さない性的接触の方法を用いる、といったことです。これには、いつ、どのように、パートナーに性器ヘルペスにかかっていることを打ち明けるか考えることも含まれます(「ヘルペスとパートナーとの関係:どのように打ち明けるか」を参照)。性器ヘルペスを取り巻く社会の誤解を考慮すると、誰かに話す前にあなたの考えをまとめておくことが望ましいでしょう。多くの人は、打ち明ければ協力的な反応を示し、あなたの勇気と正直さを評価し尊重するでしょう。パートナーに打ち明けないことを選んだ人は、恐怖、罪の意識、秘密の重荷を背負うことになります。
進行中の関係にある2人がお互いに感染の可能性を十分に理解していれば、コンドームを使用しないという選択で合意することもあるでしょう。
非常に頻繁にヘルペスの再発を経験し、性的関係がいちじるしく疎遠になっている人々にとって、抗ウイルス療法は再発の頻度を軽減し、性生活をより満足のいくものに回復させる助けとなります。
子どもへの影響
性器ヘルペスは遺伝しません。このウイルスは子どもをつくる能力には影響を及ぼさず、男性の精子または女性の卵子を介して感染することはありません。
妊娠
性器ヘルペスをもつ女性でも、安全な妊娠と膣からの正常な分娩を経験することができます。妊娠前に性器ヘルペスの診断を受けた女性の場合、特にそうです。母親が過去に性器ヘルペスの病歴をもつ状況では、母親の血液中に抗体が存在すると思われ、この抗体が妊娠・分娩時に赤ちゃんを保護するでしょう。
胎児が危険にさらされる可能性があるのは、次の2つの状況のみです。
妊娠中のケア
妊娠している女性は、彼女またはパートナーが性器ヘルペスである場合、主治医/産科医に、これを申し出ることが重要です。パートナーが性器ヘルペスを持ち、女性には感染の証拠がない場合、次の事項は妊娠中にウイルスに感染しないようにする助けとなるかもしれません。
妊娠の最終段階が近づいたら、定期的に検査を受けなくてはなりません。そうすれば妊婦と主治医とで、帝王切開の可能性や抗ウイルス薬の使用について話し合うことができます。
これ以外に、妊娠中の女性は健康な妊娠のための通常のガイドラインについても可能な限り詳細に見ておかなくてはなりません。バランスの取れた栄養と休息が、この時期はさらに重要になります。
性器ヘルペスの再発は、女性の妊娠の楽しみを妨げる可能性がありますが、妊娠中の危険は極めて小さいものです。
親として注意すること
どちらか一方の親の性器ヘルペスは、一般にはその子ども達に影響を及ぼさず、正常な衛生状態が保たれている限り感染の危険はほとんどありません。
しかし両親は、キスすることにより口唇ヘルペスからもHSVが感染しうること、そして新生児に広い範囲の深刻な感染を引き起こしうることを意識していなければなりません。運良く、赤ちゃんが6ヵ月ぐらいになるまでに、赤ちゃんの免疫系はウイルスへの曝露にうまく対処できるようになっています。口唇ヘルペスをもつ誰かにキスされた乳幼児はHSVに初めて曝露され、口と歯茎の感染症であるヘルペス性歯肉口内炎を引き起こすことがありますが、ほとんど気付かれず治療されない場合が多いのです。
性器ヘルペスの管理
治療
性器ヘルペスは管理することが可能です。何年もの間、性器ヘルペスの症状を効果的に和らげる数多くの治療法が開発されてきました。
不快感を和らげるための単純な治療法
以下の治療法は性器ヘルペスに特異的なものではありませんが、性器のびらんの痛みと不快感を軽くすることができます。
排尿時に極度の痛みをともなう人には、ひんやりした水浴中で排尿を行うと痛みが軽減されることがあります。そして、尿を薄めるために大量の飲み物を飲むことを覚えておくことが大切です。
抗ウイルス療法
性器ヘルペスの標準的、効果的、特異的な治療法は、通常、錠剤の形で服用する抗ウイルス療法です。抗ウイルス薬は体内でHSVの複製を停止させます。この治療法は、あなたが薬剤を服用している間だけ作用し、薬を飲むのを止めるとその後の発症を防ぐことはできません。
抗ウイルス薬による治療は、以下のような効果があります。
抗ウイルス薬投与には以下の2つの方法があります。
−日本では、発症抑制療法に対しては健康保険が使えません。−
経口抗ウイルス薬の投与は、医師の処方箋によってのみ利用できる治療法です。もしもあなたが「エピソード」療法を受けている場合には、症状が最初に起こった後、治療を早期に開始すればするほどその効果は上がるでしょう。そして、主治医を訪ねて、ヘルペス発症の前駆症状に気がついたら直ちに自分で始められるように、前以て処方してくれるよう依頼しましょう。
性器ヘルペスに有効な抗ウイルス療法
バラシクロビル
エピソード療法として使用した場合、バラシクロビルは、発症中のびらんの治癒を早め、痛みがともなう期間を短縮します。またバラシクロビルは、ウイルスが性器の皮膚表面から検出される(ウイルス排泄)期間−ヘルペスがパートナーにうつる可能性のある期間−を短縮します。
もしもあなたが症状の最初の徴候−ひりひり感、むずがゆさ、または発赤−に気付いてすぐにバラシクロビルを服用したら、痛みをともなう水ぶくれの発症を完全に防ぐことができるでしょう。臨床試験において、最初の症状の発現に気付いてから24時間以内にバラシクロビルを服用した場合、プラセボ(偽薬)を服用した場合と比較して、痛みをともなう水疱と潰瘍の発症を予防した割合が約30%高かったことが判明しています。
バラシクロビルをエピソード療法として用いる場合は1日2回投与します。
多くの国では、バラシクロビルは「発症抑制」療法として使用されています。臨床試験は、バラシクロビルがヘルペスの再発の85%までを防ぐまたは遅らせることを証明しました。発症抑制療法では、バラシクロビルはわずか1日1回服用、再発が非常に頻繁であれば1日2回服用します。
バラシクロビルの副作用はふつう軽度で、頭痛または悪心を起こすことがあります。
−日本では、現在のところバラシクロビルを使用した性器ヘルペスの治療については、健康保険が使えません。−
アシクロビル
エピソード療法としてアシクロビルの投与を受けると、バラシクロビルと同じように性器ヘルペスの症状を軽減し、症状が出ている期間を短縮することができます。バラシクロビルと同様にアシクロビルはヘルペスウイルスが皮膚表面から検出される期間を短縮します。
エピソード療法としては、アシクロビルは1日5回投与しなければなりません。アシクロビルは発症抑制療法としても用いることができ、再発の回数を軽減する効果があります。アシクロビルを発症抑制療法として使用する場合、1日2〜4錠を服用することが必要でしょう。
アシクロビルの副作用はふつう軽く、悪心や下痢を起こすことがあります。
−日本では、発症抑制療法に対しては健康保険が使えません。−
ファムシクロビル
ファムシクロビルは、エピソード療法として用いると、症状の持続時間を短縮することが示されています。痛みは軽減されます。バラシクロビルおよびアシクロビルと同様に、ファムシクロビルも、ウイルスが性器表面から検出される期間を短縮します。
ファムシクロビルを性器ヘルペスの初感染のために使用する場合1日3回投与し、再発のエピソード療法には1日2回投与します。
ファムシクロビルはいくつかの国々では、発症抑制療法として毎日使用することが認可されています(もしもこれがあなたの国に当てはまるならば、主治医にアドバイスしてもらえるでしょう)。この方法で使用する場合、臨床試験では、再発と再発の間の時間を延長することが示されています。発症抑制療法としては、ファムシクロビルは毎日2回ずつ投与します。
ファムシクロビルの副作用は一般に軽く、頭痛と悪心が報告されています。
−日本では、ファムシクロビルは現在使用できません。−
あなたに特有の状況に応じた抗ウイルス療法に関して、もっと詳しい情報については、主治医に相談しなければなりません。
カウンセリング
性器ヘルペスの診断は、ショックを受けることが多いものです。性器ヘルペスに関する十分な情報の提供や将来への影響についての説明は、性器ヘルペスの臨床管理と治療における重要な一部分です。
カウンセリングは、あなたの心配事への対処法についてアドバイスをくれます。
支援スタッフ
ヘルペスをもつ他の人々の経験を聞いたり、支援を受けたりすることは、極めて価値のあることです。いくつかの国々ではヘルペスをもつ人々のための支援グループがあり、ヘルペスをもつ人々に支援と教育を行う目的で活動しています(ウェブサイトの支援グループのセクションを参照)。
性器ヘルペスによって孤立感を感じている全ての人々のために、自助グループが、開かれた討論や情報やアイディアの交換の場を提供しています。
性器ヘルペスの克服
実際的なアプローチ
性器ヘルペスに対処する方法は、人により異なると思われますが、いくつかの実際的なガイドラインが提示されています。
積極的な態度は大いに助けとなります。そしてそれは自分自身を見つめる積極的な感情から始まります。実際に時間と空間をもつことが個々にとって重要です。それにより、自分達の力について学び、それを発揮することができます。
特定の問題についてストレスを感じる人や、うまくリラックスできず悩む人のためには、瞑想やストレスマネジメント研修のような特殊なテクニックがあり、これは助けとなるでしょう。
性器ヘルペスの再発が起こる人は、自分の再発パターンについて知ろうと心掛けなければなりません。それにより発症の引き金となる特定の環境を発見し、それらを避けることを学ぶことができます。頻繁な再発を和らげるためには、抗ウイルス療法が助けとなるでしょう。これは再発を防ぐことができ、また自分自身の能力を強化することを学ぶことができる、貴重な「息つく暇」を与えてくれます。
ここに示す実践的なガイドラインは誰かに自分が性器ヘルペスをもつことを打ち明ける助けとなるでしょう
自分が性器ヘルペスをもつことを初めて誰かに打ち明けることに不安を感じるのは、極めて自然なことです。しかし、長続きする良い関係は常に正直な態度に基づくものであることを忘れないでください(「ヘルペスとパートナーとの関係:どのように打ち明けるか」と「性器ヘルペス:パートナーにとって何を意味するか」を参照)。
話すタイミングは大切です。誰かに打ち明けるにはその時と場所と慎重に選んでください。
関係が始まったばかりでパートナーに打ち明けることはおそらく必要でないと同様に、親密な関係を確立するまで話し合わないままでいれば、相手の人にフェアーでなく、2人の関係を良くするものでないことは確実です。
話す準備をしておいてください。何を言うべきかを計画し、あなたの性器ヘルペスに関する事実を明確にしておいてください。このウェブサイトから必要な情報をプリントアウトし、読んで聞かせることは良いアイディアでしょう。
最後に、もしも役割が逆転してあなたが打ち明けられる側になったら、あなたはどう感じるかを考えてみてください。
医師や性感染症を取り扱う診療所に問い合わせることによって、性器ヘルペスに関してもっと詳しい情報を得ることができるでしょう。
英文から日本文への翻訳は、グラクソ・スミスクライン株式会社(マーケティング本部ヘルペス・皮膚科領域部:電話03-5786-5047)が担当したものです。